トキソウ 葦毛湿原の花
トキソウ
ラン科 多年生草本
日当たりのよい湿原や湿地に生える多年草。
根茎が横にはい、所々から地上に茎を立てる。
ここでは群生はせず、湿原内にポツポツと咲く。
ここらあたりに咲きしぼみ、あちらあたりに咲きしぼむ。
まるで花どうし申し合わせて、咲く順番を待ってるみたいだ。
花期は5月下旬から6月下旬。
高さは15~25㎝くらい。
花の径は3~4㎝。
その花色がトキの羽の色を思わせるところからトキソウだという。
といわれても、そもそも絶滅寸前のトキを見たことがない。
昔は、田んぼにいるサギのようにいっぱいいたのだろうか。
トキが翼を広げた時に翼の下が薄いピンク色をしているらしい。
これを朱鷺色というのだそうだがピンとこない。
実物は、薄紫というか、かすんだようなピンク色である。
花の少し下に、小さな葉っぱ(苞葉というらしい)が付く。
背後霊のようなその葉が写真をとるのに邪魔くさい。
なんて言ったら、トキソウに失礼。ごめんなさい。
葦毛湿原に咲くラン科の代表にサギソウがある。
こちらは一見して、名の由来がサギの飛翔姿とわかる。
その的を射た命名と見事な造形に感心する。
そして野生ランらしい気品をただよわせている。
サギソウ VS トキソウ もうひとつ。
サギソウは低地、トキソウは低地から高地まで見られる。
同じような写真ばかりで、ごめんなさい。
微妙に違う表情をお楽しみ、ということにしておこう。